歯固めとは?
歯固めとは、次の2つの意味があります。
1.儀式としての「歯固め」:1お食い初めのときに行う 2.歯ぐずり解消のための「歯固め」:歯が生え始めた頃に使う |
儀式としての「歯固め」とは、生後100日めの「お食い初め」のときに行う、「石のように丈夫な歯が生えてきますように」という意味を込めて行う儀式です。儀式としての「歯固め」は、紀貫之が934年頃に書いた『土佐日記』や、紫式部が平安中期の1008年頃より書いた『紫式部』にも書かれてある、昔からある風習です。
儀式としての「歯固め」用の歯固め石は、神社の参道から借りてきて、行います。昔は、「歯固め石」を、直接、赤ちゃんの歯茎に当てたり、赤ちゃんに噛ませたりしていました。しかし現在では、お食い初め用の石に箸を当て、それを赤ちゃんの歯茎には当てます。
歯ぐずり解消のための「歯固め」とは、赤ちゃんの歯が生えてくるときの、歯茎の違和感を解消するための、おもちゃのことです。
現在、「歯固め」といえば、一般的には、この、歯ぐずり解消のおもちゃのことです。
歯固めは、いつから?
「歯固め」のおもちゃは、「歯ぐずり」の始まる、生後6ヶ月~8ヶ月頃より使います。「歯ぐずり」は、歯の生え始める頃に赤ちゃんに見られる、歯がムズムズするような不快感で、次のような特徴から、分かります。
1.うっすら歯の生える場所が盛り上がる 2.唾液が、ダラダラと出る 3.なんでも噛みたがる 4.機嫌が悪くなったり、夜泣きするようになる |
歯が生え始める前は、歯の生える部分の歯茎が盛り上がり、少し固くなります。この、歯が生える前のムズムズした感じが、赤ちゃんにとっては不快な刺激になります。
また、歯茎の不快感から、唾液が多く出るようになってきます。生まれたての頃は、あまりよだれは出ないので、よだれかけも必要ありません。しかし、「歯ぐずり」が始まると、よだれが必要になってきます。
「歯ぐずり」が始まると、歯のムズムズ感を解消しようと、いろいろなものを噛むようになります。なんでも口に入れようとするようになるのには、「歯ぐずり」を解消しようとするためかもしれません。
そして「歯ぐずり」が始まると、理由もなく、機嫌が悪くなって泣いたり、夜泣きしたりすることがあります。お腹が空いているわけでもなく、おむつが汚れているわけでもないのに機嫌が悪い時は、「歯ぐずり」が原因かもしれません。
歯固めをする時期になったら
「歯ぐずり」が始まってくると、「歯ぐずり」の不快感を解消するのようにしてあげましょう。「歯ぐずり」の解消方法には、次のようなものがあります。
1.冷やしたガーゼやタオルで歯茎を触ってあげる 2.冷たいフルーツや、冷やしたスプーンを歯茎に当ててあげる 3.抱っこしてあげる 4.歯固めのおもちゃを上げる |
お母さんが、ガーゼやタオルで歯茎を触ってあげたり、赤ちゃんが自分で歯茎を刺激できるように、フルーツやスプーンを与えて上げたりすると、「歯ぐずり」の嫌な感じが減ります。また、そのとき、タオルやスプーンを冷やしてあげると、「歯ぐずり」の不快な感じが紛れやすいのでおすすめです。
また、お母さんが抱っこしてあげると、直接「歯ぐずり」が解消されるわけではありませんが、抱っこの安心感で落ち着くこともあります。
そして、「歯ぐずり」の解消で、一番手軽でおすすめなのが、「歯固め用のおもちゃ」を赤ちゃんにあげることです。
歯固め用のおもちゃは、いつまで?
歯固め用のおもちゃは、赤ちゃんの「歯ぐずり」を解消するためのおもちゃです。よく「歯固めのおもちゃ」と「おしゃぶり」の違いについての質問がありますが、次のように違います。
おしゃぶり:「吸う」もの。乳首のかわりで、安心感を与える 歯固め:「噛む」もの。歯ぐずり解消のためのもので、噛む練習にもなる |
そのため、「おしゃぶり」と「歯固め」のおもちゃには、次のような違いもあります。
1.おしゃぶりは「吸う」もの、歯固めは「噛む」もの 2.おしゃぶりは「0歳時」から、歯固めは「3ヶ月」から 3.おしゃぶりは「柔らかい」、歯固めは「硬め」 |
ちなみに、「おしゃぶり」は歯並びが悪くなるため敬遠されやすいです。しかし、歯が生えてからも「おしゃぶり」を与えていると歯並びが悪くなりやすいだけで、「おしゃぶり」は鼻呼吸を覚えさせるのには役立つ、とも言われています。
なお「歯固め」のおもちゃの場合は、「おしゃぶり」のように安心感を与えるようなものではないため、1歳過ぎになると、自然と、自分からやめるようになります。そのため、いつまで歯固めをあげておいた方がいいかと気にする必要はなく、自分から「歯固め」のおもちゃをやめるまで、自由に遊ばせてあげてOKです。
人気でおすすめの歯固め用おもちゃは?
「歯固め」のおもちゃには、たくさんの種類がありますが、基本的には、有名なブランド物を選んでおけばOKです。「歯固め」の有名なブランドには、赤ちゃんの定番グッズのブランドでもある、次のブランドがあります。
エジソン ピジョン リッチェル ピープル |
また「歯固め」には、形により、次の3種類があります。
リング型:指に引っかかりやすい 円盤型:指でつまみやすい 棒型:手で握りやすい |
うちの子の場合は、有名なエジソンの「棒型」の歯固めである「バナナ」の形をしたものを使っていました。しかし、棒型の場合、赤ちゃんが小さい頃は、うまく握れずに、すぐに落としてしまうことが多かったため、何度も握らせなければならず、少し手間でした。
そのため、個人的には、指に引っかかりやすい「リング型」がおすすめです。「リング型」なら、まだ、指の使い方に慣れていない赤ちゃんでも使いやすいため、かなり小さい頃から使うことができます。
また、振ると音のなる「ラトル」タイプの「歯固め」もあります。
ただし、正直、どのタイプの「歯固め」が向いているかは、赤ちゃんの好みにもよります。実際、「1人目の子供が気に入った歯固めが、2人目の子供には全く合わなかった」、という話もあります。そのため、「ラトルのリング型」と「ラトルではないない円盤型」など、タイプの異なる「歯固め」を2~3個試してみるのがいいかもしれません。