赤ちゃんの視力

赤ちゃんの視力:1ヶ月の新生児

生まれて約1ヶ月間(生後28日未満)の、生理でいう1周期分の期間までの赤ちゃんを「新生児」といいます。赤ちゃんは、お腹の中にいたときには、胎盤を通して酸素や栄養をもらっていましたが、出産後は自分の肺で呼吸し、おっぱいやミルクを飲むことで直接栄養を取り込むようになります。

新生児である赤ちゃんは、外の環境に適応しながら成長していきますが、体の機能や運動神経は未発達です。そのため、大人とは、視力もだいぶ異なっています。新生児の視力は、次の通りです。

  • 30cm先が、ぼんやり見える程度

新生児である赤ちゃんの視力は、0.01~0.05くらいです。0.1ではなく0.01なので、大人の裸眼視力なら、「中等度近視」~「強度近視」と判断されるレベルで、目の前から30cm先にあるものがぼんやり見える程度です。

はっきりした色である、赤や黒などの色のものは認識しやすいです。また、光を感じることもできるため、明るい方を向くこともあります。

赤ちゃんの視力:胎児~1ヶ月の新生児の五感

生後約1ヶ月の、赤ちゃん(新生児)の五感である、視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚は、次の通りです。

  • 視覚:約30cm先で焦点が合う
  • 聴覚:いろいろな音を聞き分けられる
  • 嗅覚:生後すぐから、かぎ分けられる
  • 味覚:甘みと苦味を感じ取れる
  • 触覚:温度変化や痛さ、かゆさを感じられる

「視覚」は、胎児のときは、妊娠24週ごろ(妊娠6ヶ月ごろ)から反応するようになります。出産後は、生後1週目ごろには、約30cm先のところで焦点が合うため、全く見えないわけではありません。そのため、縦じまの模様や、母親の顔などにも反応できます。

「聴覚」は、胎児のときは、妊娠20週ごろ(妊娠5ヶ月ごろ)から、母親や父親の声、心臓の音などを聞けるようになります。出産後の新生児の赤ちゃんの耳も敏感で、英語のLとRの音を聞き分けるなど、大人より優れた聴覚を持っているという報告もあります。

「嗅覚」は、出産後の生後すぐから発達し、おっぱいのにおいをかぎ分けられます。身体に害のあるものや危険なものを予知する能力が備わっているため、好ましくないにおいには顔をしかめたりすることもあります。

「味覚」は、胎児のときは、妊娠7週目ごろ(妊娠2ヶ月ごろ)から、舌に味を感知するための咀嚼ができるようになります。出産後の生まれたばかりの頃には、すでに、甘い・苦いの区別もでき、母乳やミルクなどの甘いものが好きです。一方、苦い味は、身体に害のある場合が多いことを本能で察してか、苦い味は受け付けません。産後3~5日までに出る「初乳」は、免疫物質を豊富に含んでいるため、赤ちゃんに飲ませてあげましょう。

「触覚」は、周囲の温度変化を感じ取り、寒い・暑いが分かります。また、痛さやかゆさも感じとれます。皮膚感覚が育ってくるにつれ、スキンシップの温もりや柔らかさを、心地よさや安心感と感じるようになります。

生まれてすぐの赤ちゃんは、非常に無力に見えますが、聴覚などの五感を頼りに、たくましく環境に順応していきます。

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