子供の昼寝

子供の昼寝

子供の昼寝の回数は、年齢により異なります。生まれたての赤ちゃんの睡眠は、動物と同じように1日に複数回睡眠をとる「多相性睡眠」です。その後、生後11週までに、夜から朝にまとめて睡眠をとる「単相性睡眠」へと移行し、徐々に、夜の睡眠1回だけで済むようになります。そのため、子供の昼寝は、次のようになります。

新生児:睡眠時間は合計で15~16時間(睡眠と覚醒が7~8回)
4ヶ月:睡眠時間は合計で13~14時間(夜間睡眠+昼寝3~4回)
1歳児:睡眠時間は合計で11~12時間(夜間睡眠+昼寝2~3回)
2~4歳児:昼寝は1回
4歳児以降:だんだん昼寝を取らない子供が増える
就学前:ほとんどの子供が昼寝を取らない

そのため、1歳児の子供は、朝・昼の2回昼寝をするのが普通です。一方、2歳児以降の子供でも、昼に1回昼寝をするのが普通です。しかし、4歳児以降は、昼寝を自然に取らなくなるようになるため、子供がいつまで昼寝するか心配なお母さんも、そこまで子供の昼寝に神経質になる必要はありません。

子供の昼寝は、いつまでがいい?

子供の昼寝には、次のような役割もあります。

体力を回復させる
メラトニンなどの成長ホルモンが出る

子供は、体を活発に動かし、感情表現も豊かなため、よく疲れます。一方で、子供は、大人ほど体力がありません。そのため、子供は、昼寝して、体力を回復させてあげる必要があります。また、昼寝をすると、メラトニンなどの成長ホルモンもたくさん出て、体の成長に役立つとも言われています。

一方で、昼寝には、次のような悪い側面もあります。

夜、寝るのが遅くなる
小学校の、昼寝のない生活で困る

実際、幼児の睡眠の研究によると、「昼寝のない幼稚園の園児」より、「昼寝のある幼稚園の園児」や「昼寝のある保育園の園児」の方が、就寝時間が遅くなるという結果が出ており、おおよそ、15分~1時間程度、就床時間が遅くなります。

また、5歳になると、翌年から小学校に上がるため、昼寝の習慣を辞めていく必要もあります。そのため、東京都の足立区では、2011年から、行政の方針として、保育園での5歳児の「午睡(午後の昼寝)の取りやめ」が決められました。

東京都の足立区でも、4歳までは、保育園で午後の昼寝の時間を設けています。しかし、5歳からは、保育園で午後の昼寝を辞めるようになりました。そして、「午睡」を取りやめることにより、次のような効果が見られました。

.夜、寝るのが早くなった
.夜、寝かしつける必要がなくなった
.夜、機嫌よく寝るようになった
.朝、機嫌よく起きるようになった
.小学校に上がってからも、午後の授業中に眠くなる子が減った

そのため、5歳以降は、積極的に昼寝の習慣を減らすようにしていくのがいいかもしれません。ただし、子供により個人差はありますから、あなたの子供に、今、昼寝が必要かどうかを見極めるのも大切です。

あなたの子供に昼寝が必要かどうかは、次のようにして、試せば分かります。

無理に昼寝させずに、1日、過ごさせてみる

そして、もし、子供を昼寝させないでいて、次のような様子が見られたら、まだ、あなたの子供には昼寝が必要だということが分かります。

夕方に眠くなる
夕方に寝てしまう
夕食時に機嫌が悪い

子供は自分の体に正直ですから、試してみれば簡単に分かります。子供の体は大人とは違いますから、子供が昼寝を必要としているなら、無理に昼寝をガマンさせるのもよくありません。実際、足立区の保育園でも、4歳児までは普通に午睡の時間があります。そのため、4歳までは、無理に昼寝をガマンさせる必要はありません。

子供の昼寝だけが、子供の就寝時間に影響を与える?

昼寝をすると、子供の就寝時間が遅くなるのではないかと、心配なお母さんも多いかもしれません。実際、日本小児保健協会による2000年に行われた幼児健康調査によれば、夜10時以降に寝る子供の割合は、次のようになっています。

1歳半:55%(1980年は25%)
2歳児:59%(1980年は29%)
3歳児:52%(1980年は22%)
4歳児:39%(1980年は13%)
5~6歳児:52%(1980年は10%)

これを見ていると、昼寝をなるべく小さいうちから辞めさせて、夜10時前に寝させたいと思うかもしれません。

しかし実際は、子供の就寝時間が遅くなっている理由には、親の就寝時間による影響が大きいとも言われています。例えば、1960年と2000年に行われたNHK国民生活時間調査によれば、大人の就床時間は、次のように変化しています。

1960年:大人の就床時刻は夜10時
2000年:大人の就床時刻は夜11時

子供の昼寝の習慣は、1960年でも1980年でも2000年でも、普通にあった習慣なので、変わりありません。一方、大人の睡眠は、1960年代からの高度成長期の影響で、睡眠時間が1時間短くなり、就床時間が1時間遅くなりました。

そして大人の就床時間が遅くなった結果、子供の就寝時間も、遅くなっている可能性が高いわけです。そのため、子供を早く眠らせたいならば、子供の昼寝をやめさせるよりも、親も早く寝るように、生活を変えていく必要があるのかもしれません。

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